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疾患について

足の疾患

モートン病(モートン神経腫)

・歩行時につま先が痛い、しびれる

足趾(そくし:足のゆび)の痛みやしびれをきたす疾患の一つにモートン病(モートン神経腫)があります。

足趾の知覚を支配している神経は足の甲では足趾の間を通り、足趾の間で二股に分かれて趾間を支配しています。(図1)二股に分かれる手前で神経は中足骨同士をつなぐ靭帯の足底側を通るため(図2)、幅の狭い靴やハイヒールを履くことで足趾の骨の間に神経が挟まれたり、扁平足にともなって足底と足趾間の靭帯との間に挟まれたりすることで神経が圧迫されて痛み、しびれを引き起こします。特に第2趾と第3趾、第3趾と第4趾の間は足趾と足趾の間が狭いため神経が傷害されやすくなっています。

症状としては歩行時の足趾間に放散する痛みやしびれです。典型的には、きつめの靴を履いたときに症状が出ますが、裸足で歩行した際に痛みが生じることもあります。診察では足趾の付け根の圧痛や足趾の間の感覚異常を認めます。MRIで圧迫によって腫れた神経を確認できることもありますが(図3)、確認できないことも多く、神経ブロック注射を行い、症状が改善するか否かで確定診断します。

治療としては神経ブロックのほかに、靴の指導やインソールを用いて、神経の圧迫を改善します。それでも症状が改善しないときには、手術で神経を切除することで症状を取り除きます。ただし、神経切除によって症状は改善しますが、足趾の触った感覚が弱くなるので、症状が強い場合のみ手術をお勧めしています。

医師  小松 史


図1

モートン神経種

図2

モートン神経種

図3

モートン神経種

足関節捻挫(足関節靱帯損傷)

・足首をひねって痛い
・足首がグラグラする
・足首をひねりやすい

足関節靱帯損傷とは簡単に言うと、“ 足首の捻挫” です。
捻挫を放置していても足首が動かなくなる訳でもなく、歩けなくなることもありません。しかし程度の強い捻挫を放置すると、痛みや足首がぐらぐらした感じが持続し、捻挫を繰り返し、関節の軟骨を傷め、変形性関節症といった慢性的な傷害を引き起こすことがあります。

①保存療法

軽傷の場合は痛みがなければ運動が可能です。中等度以上の損傷では2週間程度サポーターなどで固定した後に痛みに応じて運動を開始します。重度損傷では1-2週間のギプス固定後、サポーターをつけて歩行を開始します。1ヵ月後より痛みに応じて運動を開始しますが、3ヵ月程度は装サポーターをつけておく必要があります。

②手術療法

保存療法で症状が残存した場合には手術を行います。

手術には関節鏡(足関節の内視鏡)を用います。関節鏡で足関節内をすみずみまで観察し、靱帯損傷の程度を診断します。また靱帯損傷に伴う傷害(軟骨損傷、滑膜炎など)を観察します。

切れた靱帯がのこっていれば縫合術を、靭帯が弱っていれば再建術を行います。

  • 靱帯縫合術
    関節鏡にて断裂した靱帯の質が良好な場合には縫合術を行います。外くるぶし付近に4cm程度の切開を加え、関節内に達します。アンカーといわれる骨に靱帯を縫い付ける機器を用いて残存した靱帯を縫合します。
  • 靱帯再建術
    保残存靱帯の質が低下していて縫合できないことがあります。そのときには膝関節近くにある薄筋腱といわれる組織を採取し、足関節にスクリューを用いて固定する事で靱帯を再建します。正常な靱帯よりも強度が高く安心してスポーツ復帰が可能です。

どちらの方法も手術の1-2週間後から装具を装着し歩行します。1ヵ月後から本格的にリハビリを行い、術後3ヵ月でスポーツ復帰します。

医師  小松 史

アキレス腱断裂

・運動をしていて足でバチンと音がした
・後ろから何かが当たった感じがした

アキレス腱はふくらはぎ(下腿)の筋肉とかかとの骨(踵骨)をつなぐ組織です。正常なアキレス腱は400kgもの力に耐えうると言われています。しかし、アキレス腱の強度は30歳をピークに弱っていき切れやすくなります。そのためアキレス腱断裂はランニングやジャンプなどアキレス腱が縮んでいる状態から急に伸びたときに起こります。
アキレス腱断裂の治療には2種類あり、手術しない治療法(保存療法)と手術をする治療法(手術療法)で、それぞれメリット・デメリットがあります。

①保存療法

1週間程度のギプス固定後に装具を装着してアキレス腱が自然治癒するのを待つ方法です。約2ヵ月の装具装着が必要のため、わずらわしさや、筋力低下、再断裂がやや多い(約10%)といったデメリットがありますが、装具を装着すれば体重をかけて歩くことも可能で、手術に伴う合併症の心配もありません。

②手術療法

以前は手術後も一定期間ギプスなどで足関節を固定していました。当院では強い糸で、強固な方法で縫合することで、術後早期に足関節を動かすリハビリを行っています。(術後は痛みがあるため数日間は副木固定をします。)早期にリハビリを行うため、筋力の低下が少なく、スポーツをされる方には手術療法を勧めさせていただいています。デメリットとしては感染、傷あとといった手術に伴う合併症の危険性があります。

アキレス腱断裂の治療法にはそれぞれメリット、デメリットがあります。患者様のライフスタイルにあった治療法をおこなわせていただきます。

医師  小松 史

外反母趾について

・足の親指がまがって痛い

母趾(足の親指)が外側を向くような変形を外反母趾といいます。長時間靴を着用する近年の生活様式の変化によって増加してきています。
また年齢に伴い足部の筋力が低下することで外反母趾が生じます。母趾の変形によって母趾内側が突出し靴に当たることによって痛みを引き起こします。また外反母趾に伴い扁平足が進むことで足裏にべんち(タコ)ができ痛みが生じます。

①保存療法

外反母趾は筋力低下によって足部のアーチ構造が崩れることで筋力のバランスが悪化し生じます。足部アーチ構造の維持のため足底挿板(アーチサポート)を用います。足底挿板を用いることで足部の形態が保たれ疼痛が改善します。
また両母趾に輪ゴムを掛けて母趾の間を広げる運動や足指を曲げ伸ばしする運動で筋力訓練を行うことで外反母趾の改善が期待出来ます。

②手術療法

保存療法で効果が期待出来ないような高度な外反母趾では手術療法が必要となります。当院で変形の程度に応じた手術を行なっています。

  • DLMO法(デルモ法)
    外反母趾の程度が軽度から中等度で、関節が固くない外反母趾に対して行います。母趾内側の皮膚を2cm程度切開し、骨切りを行った後、矯正して、ワイヤー1本で固定します。侵襲が少なく、術後から足底(足の裏)をついての歩行が可能で早期退院が可能です。術後4週程度でワイヤーは抜きます。
    【画像】外反母趾の手術療法・DLMO法(デルモ法)
  • 中足骨遠位骨切り術(Chevron法 シェブロン法)
    外反母趾の程度が中等度以上で母趾基部の関節が安定している場合に行います。母趾内側の皮膚を切開して、骨をくさび状(シェブロン型)に切り、矯正してスクリュー固定します。術後は骨がつくまで約2ヵ月間、専用のサンダルを装着して踵荷重で歩行していただきます。
    【画像】外反母趾の手術療法・中足骨遠位骨切り術(Chevron法 シェブロン法)
  • 関節固定術(Lapidus法 ラピダス法)
    高度の外反母趾では母趾基部の関節が不安定なため、手術後に徐々に外反母趾が再発することがあります。そのため当院では母趾基部の関節部で外反母趾を矯正して関節固定することによって、再発しにくい手術を行っています。術後は固定した関節がつくまで約2ヵ月間、専用のサンダルを装着して踵荷重で歩行していただきます。
    【画像】外反母趾の手術療法・関節固定術(Lapidus法 ラピダス法)

医師  小松 史

強剛母趾

・足の親ゆびの関節がはれている
・つま先立ちになると親ゆびが痛い

変形性関節症は、関節にある軟骨がすり減って変形したり、骨と骨がこすれたりすることで、炎症や痛み、こわばりなどが起こる病気です。この変形性関節症が母趾(足の親ゆび)のつけねに生じるのが強剛母趾です。

母趾の付け根の関節は通常でも伸展時(ゆびを反らす時)に大きなストレスがかかっています。強剛母趾になると軟骨がすり減り、関節の隙間がせまくなります。また関節周囲に骨のとげ(骨棘)ができるために動きが悪くなり痛みが生じます。

【画像】強剛母趾

①保存療法

母趾にストレスを与えないように安静にすることが大事です。また、母趾が圧迫されないような靴や母趾が反らないように底の固い靴を選ぶことが大切です。それでも痛みが改善しない時はインソールを作成して母趾へのストレスを軽減します。

②手術療法

  • 関節縁切除術
    母趾の変形した関節周囲の骨棘を切除して動きを改善します。
    【画像】関節縁切除術
  • 関節固定術
    変形が大きい場合や関節軟骨が著しくすり減っている場合には金属製のプレートやスクリューで関節を固定し母趾を動かないようにすることで痛みを改善します。
    【画像】関節固定術
足底腱膜炎

・朝起きたときや歩き始めに足の裏が痛い
・長く立っていると足裏が痛い

足底腱膜とは足の土踏まず(アーチ)に対し弓の弦のように張っている組織で、飛んだり走ったりすることで足が受ける衝撃を吸収する役目をしています。

【画像】足底腱膜

そのため加齢によって柔軟性が失われたり、ジョギングなどで強い負荷がかかったりすることにより傷害され足底腱膜炎が起こります。朝起きたときや昼寝のあとは足底腱膜がこわばっているため痛みが出ますが、歩いているうちに柔軟性が出てきて、足底腱膜の痛みが改善してきます。この “朝起きたときが痛い” “歩き始めが痛い” というのが特徴的な症状です。

①保存療法

  • ストレッチ・マッサージ
    足底腱膜の柔軟性を改善することが治療につながります。そのため、足底のストレッチやボールを使ったマッサージなどが有効です。また足底腱膜にかかる負荷を軽減するために土踏まずを支えるようなインソールが効果的です。足底腱膜炎は良くなったり、痛くなったりしながら、8割の人は1年くらいで自然治癒します。
    【画像】ストレッチ・マッサージ
  • 体外衝撃波治療(ESWT)
    腎臓結石を破砕する治療に用いられている体外衝撃波を整形外科分野に応用したものです。足底腱膜炎ばかりでなく、アキレス腱炎やテニス肘など腱付着部の炎症の治療に使われています。特別な装置が必要で当院ではできないため、希望があれば他医に紹介しています。

②手術療法(内視鏡視下足底腱膜切離術)

保存療法をおこなっても症状が改善しない場合には手術療法の適応になります。負担のかかる内側の足底腱膜のみを切離して、足底腱膜にかかる負担を軽減します。以前は2-3cmの皮膚切開で手術をおこなっていましたが、当院では内視鏡を用いることで低侵襲での手術を行っています。術後早期の荷重歩行が可能ですが、踵に傷ができるため、しばらくの間歩行時痛があります。

変形性足関節症

・歩き始めに足関節が痛い
・昔に足関節を骨折したが、最近痛みが出てきた

変形性関節症は関節軟骨の摩耗を主体とする疾患です。加齢に伴うものや骨折などの外傷、リウマチなどの関節炎が原因となります。

膝や股関節に比べて足関節の変形性関節症は少ないです。理由は足関節が脛骨(内くるぶし)と腓骨(外くるぶし)からなる凹に、距骨の凸がはまりこむ形をした非常に安定した関節であり、また軟骨の性質が膝関節や股関節と異なることがあげられます。

足関節の変形性関節症は骨折によって足関節が変形したり、靭帯損傷によって足関節が不安定になることで一部分に荷重が集中し、関節軟骨がすり減ることで生じます。痛みは膝や股関節の変形性関節症と同様で歩行に伴い、歩き始めや、長時間の歩行に伴って鈍痛を訴えることが多いです。症状が進行すると足関節が腫れ、外観上も変形が見られるようになります。

①保存療法

症状が軽い場合には鎮痛剤の内服や不安定性を改善するためにサポーターを用います。また、一部に集中する荷重を分散するために外側を高くした足底挿板(インソール)を用います。

【画像】インソール

②手術療法

症状が進行したときは手術が必要になります。

  • 関節鏡視下骨棘切除術
    変形性足関節症では足関節周囲に骨棘(こつきょく)と呼ばれる余分な骨ができることがあります。その骨が足関節の動きを妨げたりすることで症状を引き起こします。関節鏡を用いて、低侵入で手術をすることで早期の退院が可能です。
    【画像】棘切除
    しかし、変形が進行した場合には十分に症状が取れないことがあります。また将来的に下記の手術が必要になることもあります。
  • 骨切り術
    比較的変形が小さいときには、骨切り術を行います。脛骨(すねの骨)切って関節の形を矯正することで内くるぶしと外くるぶしからなるほぞをせばめて足関節を安定化し、かたよっていた荷重を足関節全体で受けることで痛みを改善します。
    【画像】骨切り
    以下の通り、足関節の動きも温存できます。
    【画像】骨切り
  • 関節固定術
    変形が大きい場合は関節固定術が行われます。『軟骨がすり減った関節が動くことで痛みが生じているのだから動かなければ痛くない』という考えです。ちょっと乱暴な考え方ですが、固定がしっかりできれば痛みはかなり改善します。また、足関節を固定しても、周囲の関節によってある程度動きが確保できるため、日常生活でほぼ困ることはありません。
    【画像】関節固定術
有痛性外脛骨(外脛骨障害)

・足の内側が出っ張っていて運動すると痛い
・内側の出っ張りが靴に当たって痛い

骨の一部が成長の過程において母床となる骨と癒合せず残ったものを過剰骨といいます。過剰骨自体は悪いものでなく『成長過程のバリエーション』と考えられますが時々障害を起こすことがあります。
足周囲の過剰骨として最も多いのは外脛骨です。外脛骨は足部中央内側にある舟状骨の内側に突出するように存在します。4-21%の人に存在すると言われており、小さく舟状骨から離れて腱内に存在するⅠ型、大きく舟状骨と線維性に結合しているⅡ型、舟状骨と癒合して突出しているⅢ型に分類されます。

【画像】有痛性外脛骨

外脛骨は土踏まずを支える後脛骨筋腱という腱の中に存在するため、歩行や運動で負担がかかり、スポーツ活動が盛んになる10-15歳頃に痛みが出ることがあります。痛みの出方には2種類あり、外脛骨が出っ張っていることで靴などに圧迫されて痛みがでる場合と外脛骨と舟状骨が中途半端についているため、その間の結合部が損傷し痛みがでる場合があります。

①保存療法

外脛骨にかかる負担を減らすためにスポーツ活動を制限します。症状が強いときは足関節を固定したり松葉杖歩行をしてもらいます。また土踏まずを支えるためにインソールを作ります。

②手術療法

保存療法で症状が残存した場合には手術を行います。
手術には外脛骨を切除する方法と外脛骨と舟状骨をくっつける方法があります。

  • 骨切除術
    外脛骨が圧迫されることにより症状が出ている場合や外脛骨が大きく、後脛骨筋腱の働きを妨げている場合には切除術を行います。
    外脛骨は後脛骨筋腱内に存在するため、腱を縦裂きして腱内の外脛骨をくりぬきます。外脛骨を切除することで余計に内側が突出することがあり、その場合は舟状骨から腱を剥離し、骨の出っ張りを切除して腱を舟状骨に再固定します。
    【画像】骨切除術
  • 骨接合術
    外脛骨と舟状骨の間の結合組織の損傷による症状の場合に行います。外脛骨と舟状骨間を処置した後、金属製のスクリューで固定します。また足部の骨がまだ成長段階である場合には細いワイヤーで外脛骨から舟状骨へ穴をあけることで、結合部の血流を促し、骨をつける方法(経皮ドリリング)を行います。
    【画像】骨接合術
    どちらの方法も手術後3週間はシーネ固定で松葉杖歩行となります。その後リハビリを行い、インソールを使い歩行を始めます。


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